第26回 多くの人の人生を狂わす覚醒剤はもともと「エフェドリン」!?

残念ながら後を絶たない薬物乱用のニュース。日本では、特に「覚せい剤」による事件が多発し社会に影を落としています。

覚せい剤とは、主にアンフェタミン、メタンフェタミン、及びこれらの塩類を含むもので「覚せい剤取締法」で規制されている薬物です。中でも、メタンフェタミンは第二次世界大戦中、軍需工場の労働者が徹夜で作業を行うために日本で合成された覚せい剤で、エフェドリンを基にして造られた成分になります。

エフェドリンは、主に交感神経を興奮させ、気管支拡張作用などをあらわすことで呼吸器症状の改善などに使われます。また風邪(感冒)の初期に適する漢方薬の葛根湯(カッコントウ)の構成生薬の一つである麻黄(マオウ)もエフェドリンを成分として含んでいます。

このエフェドリンで注意すべき副作用に、交感神経の興奮による動悸、頻脈、血圧上昇などがあり、依存性も少なからずあるため用法・用量を守った使用が重要です。

覚せい剤の恐ろしさを知るためにも、構成成分やその危険性を学習していきましょう。

もちろん医療で使われるエフェドリン(及び塩酸プソイドエフェドリンなどの類似成分)と覚せい剤のメタンフェタミンではその覚醒作用や依存性、危険性などは比にならないのですが、エフェドリンの注意事項を理解することは、覚せい剤の作用やその危険性などを理解する上で大切です。

毎年6月20日~7月19日までのひと月の期間、国、自治体、関係団体などにより、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が実施されています。また、青少年の薬物乱用防止に対して小中学生のうちから学校薬剤師などによる啓発や乱用防止への教育が行われています。

社会全体で薬物乱用防止へ取り組む必要があり、その中でも、医療従事者による啓発活動は特に重要といえます。

腕試し問題

下記の文章を読んで、○×で答えてください!問題文をクリック(タップ)すると回答が開きます。

登録販売者は、購入者の状況によっては一般用医薬品を販売せずに、医療機関の受診を勧めることも必要である。
答えは「○」購入者の状況によっては医療機関の受診を勧めたり、医薬品の使用によらない対処が適切な場合も考えられます。
医薬品副作用被害救済制度の救済給付業務に必要な費用はすべて製薬会社からの拠出金で賄われている。
答えは「×」製薬会社からの拠出金と国からの補助(国庫補助)によって賄われています。
医薬品は人の健康の増進などに必要なものであるため、製造物責任法(PL法)の対象とはならない。
答えは「×」医薬品もPL法の対象となります。
一般用医薬品では薬物乱用の問題が生じることはない。
答えは「×」一般用医薬品の乱用をきっかけに、覚せい剤などの違法な薬物の乱用につながることもあります。
毎年10月17日~23日の一週間は、薬物乱用防止の推進を目的とした「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が実施されている。
答えは「×」10月17日~23日は「薬と健康の週間」で、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動の実施は、毎年6月20日~7月19日までの1カ月間で行われています。