第27回 一般用医薬品と医療用医薬品、同じ成分でも使用目的は異なる?
一般用医薬品が、薬局やドラッグストアなどで購入者自身が自分で選んで買えるのに対し、医療用医薬品とは、医師または歯科医師によって使用され、または、これらの者の処方箋もしくは指示によって使用されることを目的として供給されるものです。
医療用医薬品の中でも処方せん医薬品はさらに厳格な管理が必要な医薬品であり、病院、診療所、薬局などへの販売(授与を含む)する場合を除き、医師などからの処方箋の交付を受けた者以外に対して正当な理由なく販売を行ってはならない医薬品となっています。(詳しくは割愛しますが、大規模な災害時などにおいて、医師等の受診が困難な時など特別な場合では販売が認められるケースもあります。)
一般用医薬品と医療用医薬品の違いは他にもあり例えば「用量」における違いがあります。
医療用医薬品では、医師や歯科医師が医学的見地から患者の状態を診て、用量を適宜増減する場合がありますが、一般用医薬品では、年齢に応じて服用量が定められているなどそれを使用する一般の生活者による判断の余地は限られます。
医療用医薬品から一般用医薬品にスイッチされた、スイッチOTCの代表薬でもあるファモチジン(商品名:ガスター®など)を例とするなら、医療用医薬品におけるファモチジン錠の高用量規格は、20mg(ガスター®錠20mgなど)ですが、一般用医薬品におけるファモチジンの一回量は10mg(ガスター10など)です。
また、医療用医薬品のファモチジンが、消化性潰瘍や逆流性食道炎など具体的な疾患の治療を主とするのに対して、一般用医薬品のファモチジンは、胃痛や胸やけなどあくまで一時的な症状を改善する薬としているところも異なります。(実際に一般用医薬品のファモチジン製剤の説明文書には、3日間服用しても症状の改善がみられない場合は医師や薬剤師に相談するなどの記載がされています。)
一般用医薬品を取り扱う場合、医療用医薬品との法的な違いだけでなく、使用目的などの違いを理解し、適切なセルフメディケーションにつなげることが大切です。
腕試し問題
下記の文章を読んで、○×で答えてください!問題文をクリック(タップ)すると回答が開きます。