第3回 〈漢方特集〉生薬・漢方の原点に返る

民間薬は 生薬が原料 実は生薬や漢方製剤は身近にあって、大変なじみ深いものです。たとえば、よく見かける薬草のセンブリ、ゲンノショウコ、ドクダミは、探せばどこにでもありますが、実は「日本三大民間薬」とも言われています。庶民大衆により伝承されてきた薬が民間薬であり、天然成分=植物起源のきぐすり=生薬がほとんどです。下痢、腹痛に効く「センブリ」に加え「ゲンノショウコ」という現に証拠になるという呼び名の民間薬もすでにご存じかと思います。

さらには、皮膚の湿疹、かぶれ等に効く「ドクダミ」が三大民間薬といわれます。秩父のお山には整腸剤の「キハダ」が自生しています。各家庭にも、傷や発熱に「アロエ」や「ヨモギ」、喉痛みに「ナンテン」、そして痔に「イチジク」などが植えてあるお宅は多いと思います。昔からの庭のある家のまわりに植えられたものは、ほとんどが、民間薬として使われたものであり、「南天のど飴」 や「龍角散」のように、商品化されたものもあります。

センブリ

下痢や腹痛の他に、センブリの血行促進作用により「育毛効果」があるのではと言われています。従って、育毛スプレーやシャンプーの中にセンブリ抽出エキスが含有していることがあります。

過去本試験問題では、次の例のように、胃薬の生薬成分として登場します。

リンドウ科のセンブリの開花期の全草を基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。

日本薬局方収載のセンブリ末は、健胃薬のほか止瀉薬としても用いられる。

日常生活に近い生薬・漢方を知ることで、自分の生活に実際に取り入れている方も多いのでは??試験では、生薬・漢方の由来から効果まで幅広く問われますので、この機会に学習しておくとよいでしょう!

漢方を知ることは、健康への近道ですよ!