第13回 漢方薬の選択は人それぞれ違う!?
漢方と聞くと、お隣中国を思い浮かべる人も多いかと思いますが、中国の伝統医学である中医学に対して、漢方医学は、その基礎が中国から伝わった後に日本の風土や日本人の体質に合わせて独自の発展を遂げてきた日本独自の医学です。(特に17世紀頃、大きく発展したと考えられています)
漢方医学においては、生薬を一定の規則で組み合わせて構成した漢方薬による治療が中心になってきます。一般的に体全体の状態を診て、人それぞれの体質や症状などに合わせた漢方薬が選択され、この人それぞれの体質や症状などを「証(しょう)」と呼びます。
また生命・精神活動を維持する重要な要素である「気・血・水(き・けつ・すい)」の変調に基づく診断、舌の状態を診る舌診、お腹の状態を診る腹診などのプロセスを経て治療が行われています。
試験で難関とされている漢方薬も、成り立ちを学べば理解が深まりますね!
風邪(感冒)の急性期を例にすると、発熱(但し、自然発汗を伴わないもの)や頭痛などがあり、胃腸が比較的丈夫な場合には、葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(マオウトウ)などの薬が適するとされますが、微熱で寒気があり、 胃腸が弱い場合などには、麻黄湯附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)などが適するとされます。
現在、漢方薬は臨床において、認知症の症状の改善、抗がん剤による副作用の改善など色々な病気や症状に対する選択肢の一つになっており、今後も注目を集める薬です。
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