第23回 骨を丈夫にする治療は年一回の時代へ(?)
医療の発達や少子化などによる、超高齢化社会の到来が日に日に現実となってきている日本。2025年には、国民の3割を超える割合を高齢者が占めるとも考えられており、いかに健康で文化的な生活を送れるか・・・は、今後の我が国の命題とも言えるのかもしれません。
高齢者が、日々生活する中で気をつけなくてはならないことの一つとして、骨密度の低下による骨折があります。
骨を丈夫にするには牛乳を飲むと言いますが、今後は、薬の発展が近年増えてきています。
特に、女性の高齢者においては、骨の形成に関わる女性ホルモンのエストロゲンの減少により、骨折リスクが男性に比べて高いと考えられています。
骨と言えば思い浮かぶのは、「カルシウム(Ca)」かもしれませんが、カルシウム製剤や骨を丈夫にするビタミンDやビタミンKといった製剤だけでは、骨折のリスクを低下させるには十分でないことが多くあります。
近年では、骨形成(骨を作る過程)を促す、ビスホスホネート製剤や骨を作る細胞を活性化させる副甲状腺ホルモン製剤などが臨床で使われています。
また、骨を作る細胞へ直接作用する「半年に一度投与」の注射剤が開発されるなど、治療の選択肢はますます広がってきています。最近では、「1年に一度の注射」により骨密度を増加させる製剤も開発されて、臨床で使われています。超高齢化社会への移行と共に骨を丈夫にする薬の開発が進むのは、ある意味必然なのかもしれません。
腕試し問題
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